映画『DEATH NOTE デスノート the Last name』
Posted at 07/05/01 PermaLink»
今さら映画『DEATH NOTE デスノート the Last name』を見てみたんですが。はい、うわさどおりのなかなかすばらしいオチでした。映画としては、演出がショボすぎてガマンして見ているのがつらい感じですが、ミステリーとしての肝心のトリックの部分は非常によくできていた。
(※以下、ネタバレあり)
「Lが自らの命を犠牲にしてキラを罠にはめる」という映画の結末は、原作の「Lの後継者がキラを捕まえる」というラストよりもすっきりまとまっている。原作では、物語を盛り上げるために次々に新しい登場人物、トリック、デスノートの「ルール」をゴテゴテと継ぎ足していったわけですが、映画は最小限のネタだけでコンパクトにまとめられている。ミステリーって、途中の演出が稚拙でもトリックがおもしろければそれなりに満足できるものです。その意味では、この映画版はいわゆる正当な「ミステリー」になっていたと思う。
さらに言えば、原作ではキラが「死神を利用してLを殺す」というシーンがあり、キラが「Lよりも一枚上手だった」ということになっていたわけですが、映画版ではLも「死神を罠にはめていた」ことになっている。つまり、Lもキラも「自らの知恵を絞って死神を利用しようとしていた」ということになる。この点が「人間の知恵が超自然的な存在を凌駕しようとする」というこの作品の裏テーマを浮き彫りにしていて、そこが個人的にはグッとくるところなんですよね。
Lやキラが登場人物としてなぜ魅力的なのかといえば、それは彼らが自分の知恵や倫理観以外の何者にも縛られず、誰にも頼らずに自らの力で道を切り開いていくからなんですね。そういう前フリが、ラストの「キラが死神に頼ろうとして殺される」という原作・映画共通のあの場面につながってくるわけです。いやー、なかなか味わい深いお話でした。