女性芸人の品格

Posted at 08/03/04 Comment(4)» Trackback(0)»

女の人は、女っぽさをなかなか捨てられないんです。脱いでも脱いでもまとわりつく。自分本体と一体化している。そして、リアルな女っぽさというのは笑いの邪魔になるんです。だから長い間、女性芸人たちは、男女差に直接関係のない職人芸を見せるか、「モテたい」「結婚したい」などといったステレオタイプな女らしさをなぞることで、リアルな女っぽさを何とか消臭しようと必死になっていたのです。

でも、今テレビに出ている女性芸人にはもう、そんなことはあんまり関係なくなりました。社会構造の変化に伴って、「女の人は女っぽさを捨てられない」という事実を、視聴者がどんどん受け入れるようになってきたからです。

たとえば、青木さやか。青木は野放図に女らしさをたれ流す、現代女性芸人の象徴的な存在です。青木がテレビの中でうれしがったり照れたり怒ったり傷ついたりするふるまいは、そこら辺にいる一般の女の人たちの感覚とそんなに変わりません。そういうあり方をする女性芸人が、いつのまにか全面的に認められていたのです。

にしおかすみこという人は、どこからどう見ても能力の足りないダメな芸人だと思うんですが、この人がすごいなあと思うのは、女っぽさを平気で引きずるんですね。売れっ子青木にはまだ「私は女っぽさを引きずるしかないんだ!」という悲壮な覚悟のようなものを感じるのですが、一発屋にしおかはただひたすら自分に甘い。リアルな女っぽさは油断するとすぐに「痛々しい」という印象を与えてしまうものなのですが、彼女はそういうことに対してあまりに鈍感なのです。

でも、たぶん、その「鈍感さ」もまた、女っぽさのひとつの現れだったりするのでしょう。そして、女性視聴者主導型の現在のテレビでは、そのぐらいがちょうどいいラインだったりするのでしょう。

テレビは社会の反映。テレビが映しているものは、私たちの生きる現実そのものなのです。

関連記事:残酷なテレビのテーゼ

b.gif←青木さやかだよ

"女性芸人の品格"へのトラックバック

トラックバック先URL

"女性芸人の品格"へのコメント

CommentData » Posted by d_d- at 08/03/05

ちょくちょく拝読させていただいてます。(すべらない問答でもコメント書いたのですがエラーで消えてしまったので断念しましたorz)

今回の記事,興味深い内容かと思いますが
ここで指摘されている「女っぽい」要素というのはすごく微妙な色気?
ということなのでしょうか?読み手によって定義がまちまちになりそうです。
友近さんやブサイク女漫才コンビやトリオなどはずばり当てはまるように思いますが
柳原可奈子さんなどはどうなんでしょう…?

CommentData » Posted by ラリー at 08/03/05

女っぽいってどういうことなのか、正確に定義するのは難しいですね。柳原可奈子はその辺をちゃんと制御できているので、見ていて嫌な感じがしないですよね。

CommentData » Posted by てぃあ at 08/03/06

「本当の自分を見てほしい」等という精神ではないでしょうか。
芸風というものが受け入れられると、素の自分というものも
受け入れられてしかるべきだ、という感じ。
身の回りの人に対して思うのは普通の欲求ですが
テレビではそんなもの価値がありません。
女芸人に限らず、そういった芸能人を見ると腹立たしい。
ブログでアツい事なんかを語る男性芸人なんかも十分同じ痛々しさが
ありますが、ブログは読む読まないの選択がしやすいですからね。

明石家さんまがトークで、例えばワルっぽいイメージの芸能人がいい人話を
した時なんかに、
「それイメージダウンやわ」と言う。あれ好きです。
さんま相手ならその一言でなごやかに成立させてしまうんです。

CommentData » Posted by ラリー at 08/03/06

「本当の自分を見てほしい」という自意識を出してしまうタレントはたまにいますね。でも、にしおかはそれよりもっと低次元のレベルで、単に制御できていないだけですよね。

"女性芸人の品格"へコメントを投稿

(運営者が承認するまではコメントは表示されません。しばらくお待ちください。)

上の情報を保存する場合はチェック

Powered by Movable Type

Template by MTテンプレートDB

Supported by Movable Type入門

カウンタCGI