サブカル殺し:みうらじゅん編
Posted at 08/06/16 PermaLink» Comment(2)» Trackback(0)»
真木よう子のことを書いていたら、ついでにサブカル界のことをいろいろ書きたくなりました。誰にも全く共感されないだろうけど言っておきたいことがあります。
みうらじゅんって、そんなにいいか?
たまに、というか結構な割合で、みうらじゅんのことをやたらと神聖視している人に会ったりすることがあります。その度に心の中にもくもくとわき上がる違和感が、どうしても抑えきれないのです。
みうらじゅんは面白い!って言われると、うん、まあ、面白いよね……、としか返せない自分がいる。そんなに目をきらきらさせてみうらじゅんの面白さを語ったりはできない。どうも私には、彼がそういうふうには見えない。みうらじゅんって、そこまで手放しでほめるようなものなのでしょうか。
まず、前提として。みうらじゅんはたしかに面白い。変わった考え方を持っていて、それを表現する意欲とか行動力とかトーク力がある。それは認めます。
でも、それって、ただそれだけなら、いとうせいこうでも山田五郎でもリリー・フランキーでも伊集院光でも大槻ケンヂでも水道橋博士でも掟ポルシェでも辛酸なめ子でも、サブカルスターならば誰でもそれなりには備えている能力じゃないですか。
ただ、私が見る限り、みうらじゅんのことが好きな人たちは、どうやらそういう目で彼のことを見ていないっぽいんです。そこが、不可解。
私からすると、みうらじゅんって、ただひたすら「うまいことやってる」人のような気がするわけですよ。そのうまいことやってる感じ、自分のキャラクターを完全に制御できている感じが、どうもグッとこない。好きになれない。
人間の種類でいうと、みうらじゅんは絶対、すっきりほがらかに生きている人間ではなくて、どろどろとしたものを抱えて鬱屈しながら生きているタイプの人だと思うんです。まあサブカル界の人はだいたいそっちでしょう。そういうもやもやしたものを上手く制御しながら、面白いものとして世に広くプロデュースできれば、人はサブカルスターになれる。
でも、みうらじゅんという人は、それをかなり無理してやってしまった人のような気がするんです。自分の中の大事なものを1回ばっさりと切り捨ててしまった。その、無理してる感じ、背伸びしている感じ、隠している感じ、引きずっている感じが、どうも痛々しくて、まともに見ていられない。
15年くらい前のある若者向け雑誌で、「笑いのカリスマ・松本人志」みたいな特集記事があった。そこでみうらじゅんがコメントを残していたのですが、その内容はというと、とにかくひたすら、松本の才能に嫉妬していたのです。俺も松っちゃんみたいになりたかった。でも、なれなかった、悔しい。たしかそんな内容。
私は数年前にそれを見たときに、すごく納得したのを覚えています。そうそう、やっぱりそうでしょう、と。みうらじゅんはたぶん、そういうタイプのわだかまりをずっと抱えている。
だから、みうらじゅんを、そういう憂鬱な存在として面白がるという目線は、まだ理解できる。でも、もう世間は、彼をただストレートに面白がりに来ている。みうらさんなら何か面白いことを言ってくれるだろう、というノリでテレビや雑誌の仕事を振ってくる。そして、今の彼は、そこそこ器用にそういう期待に応えられるようになってしまっている。どうも、何かがヘンだ。
あれ、これってひょっとして、みうらじゅん本人じゃなくて、そんなまわりの人のみうらじゅんに対する扱いへの違和感、ってことなのかもしれません。
いっそみうらじゅんが面白くなければ話は早いんですけどね。面白くないなら、ほら、そういうこと、って言えるんですが。でも、彼はもうけっこう面白いんです、もちろん。だからこそ、私がここで言っていることが、なかなか実感を伴って伝わりにくいんだろうなあ、という気がする。難しい。真木よう子のときにも思ったけど、サブカル界の話をするのは本当に難しい。
"サブカル殺し:みうらじゅん編"へのコメント
CommentData » Posted by おつまみ課長補佐 at 08/06/21
先日、みうらじゅんさんとカーツ佐藤さんの対談を行いました。
ぬるキャラの裏話とか宝島がサブカル誌だった頃のめちゃくちゃな話を聞いていたのですが、外から見るのとやっている人はすごく違っていて、ぬるキャラ一つでも最初は編集者にまったく相手にされず、ぬるキャラ集めて大会開いたのも後楽園と自分で交渉して自主公演からスタートしてと、とにかく情熱の人だなあと思いました。
みうらじゅんはみうらじゅんであることを嫌がりながらも楽しんでいるのでしょうね。
自分が面白いと思ったことがまったく世間と違っていて、それを人にわかるように翻訳して伝えるのはすごく大変で、伝わったら伝わったで自分が一番嫌いな形にされてしまって、でもあきらめずに粛々と続けるみうらさんはカッコ良かったです。
好物は酢味噌だそうで、そんなものが好きな人が世の中生きやすいわけないと思いました。早く死なねえかなオレってずっと言ってるし。
まあそういう感じでしたよ。来月(株)永昌源のHPに対談をアップするので、ご興味あれば。
http://www.eishogen.co.jp/otsumami/index.html
CommentData » Posted by ラリー at 08/10/23
なるほど。コメントありがとうございます。対談記事、面白いです。