FNS27時間テレビ感想(総評)
Posted at 08/08/04 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
今年の27時間テレビは面白かった。もちろん、27時間のうち全部が全部面白かったというわけではない。ちょっとどうかと思う部分もあった。でも、全体としては最高に近い出来だったと思う。
基本的に、自分を含めてほとんどの人は、今のテレビに対してあきらめに近い感情を持っているのではないかと思う。テレビがあんまり面白くない。でもしょうがないよね、と。
そんな私たちのあきらめを払拭すべく、フジテレビは今年の27時間テレビに全力を注いだ。俺たちが本気でやればこのぐらいのことはできるんだぜ、ということを見せつけた。その情熱はたしかに私たちに伝わってきた。
最高だったよ、27時間テレビ。とりあえずはそう言える。
でも。話はここで終わらない。
私は、今田耕司を車ではねるビートたけしの姿を見ながら、底抜けに痛快で面白いと思いつつ、どこかもの悲しくて仕方なかった。今テレビで面白いものを作ろうとしたら、結局、最後はさんまやたけしの力を借りるしかないんだ。プロの目から見ても、誰が考えても、それがベストの選択なのだ。そのことは何を意味するか。
また、この番組では随所にノスタルジックな演出が見受けられた。懺悔室とかの細かい部分のみならず、この番組全体が一つのノスタルジックな意味合いを持っていた。芸人が大勢集まって本気ではしゃいでいたら、テレビを見ている人も何となく楽しい気分になれるんじゃないだろうか、という形の見せ方。フジテレビが2008年の今、あえてそういう演出を選んだということは、何を意味するか。
要するに、テレビは死んだのだ。今いちばん新しくて面白い演出とは、30年以上も前からテレビに出ている、明石家さんまというただしゃべっているだけで面白い人間に、延々と自由にしゃべらせることだったのだから。さんまやたけしには後継者がいない。テレビの化身である彼らの引退とともに、私たちが愛した「テレビ的なノリ」としてのテレビ文化は静かにその幕を閉じるはずだ。フジテレビが満を持して送り出した27時間テレビは、逆説的にそのことをはっきりと印象づけた。
この番組は面白い。でも、この番組がいちばん面白いようなら、テレビはもう終わりだ。