大黒秀一著『転がる日本にバカ満ち足りて』
Posted at 10/02/01 PermaLink»
「日刊サイゾー」でも「退屈巡礼」という連載をされている、大黒秀一さんの『転がる日本にバカ満ち足りて―あきらめの楽園へ』という本がかなり面白かったです。日本の観光地やダメスポットに漂うダークな空気にだんだん脳が汚染されていく感じが心地いい。
思えば、我々は誰でも一度はこんな光景を目にしているはず。修学旅行とか社会見学とか、あるいは個人旅行で。
古臭い、鈍感、雑、手抜き、アート志向。――このような要素から生まれた、退屈と退廃のダメスポット。私たちが心の片隅に追いやって忘れていたはずの、忌々しくも悲しく愛しい記憶が、まざまざとよみがえってくる。
ひどいけど、ひどすぎて笑える。救いようがないけど、救えないことで救われる。そういうことが確かに世の中にはある、ということを改めて思い知らされる。
いわば、日本国内における「観光」とは、落とし穴のように全国各地に潜む、この種のダメスポットの放つ禍々しい妖気のようなものに身を捧げる覚悟を持つ、ということでもあるのだ。
あと、この本は、大黒さんのスタンスも実にちょうどいい。無理にあざ笑う感じでもなく、変に自虐ぶる感じでもなく、あくまでニュートラルな立ち位置で状況を淡々と描写している。このバランス感覚がいい。心に深く刺さる一冊です。
なぞかけ企画「ととのったー」始めました!
Posted at 10/01/29 PermaLink»
twitterにて、参加型なぞかけ企画「ととのったー」を始めることにしました。
・私(ラリー)が毎日18時にお題を出します。ネタを思いついた方は、そのメッセージに返信する形でなぞかけを投稿してください。
・期限は丸一日。翌日には次のお題に移ります。
・個人的に「うまい!」「おもしろい!」「すごい!」と思ったらリツイートで紹介させていただきます。
昨日始まった第1回のお題は「アメトーーク」。以下のような傑作が多数寄せられました。今後もしばらく続けていくつもりなので、なぞかけの腕を磨きたい方はお気軽にご参加ください。
――――
ayukatirom
アメトーークとかけまして、桶狭間の戦いとときます。そのこころは、、、どちらも雨上がりの進行(進攻)です。
tkkt01
アメトーークとかけまして、プリンスホテルと解く。そのこころは,品川のイメージを変えました。
igagurika
アメトーークとかけまして、アフリカの朝とときます。そのこころはサバンナが輝いています。
moderatdrei
アメトーークとかけまして、マフラーの編み方とときます。そのこころは、棒が二本必要です。
tukaeki
アメトーークとかけまして、美味しい馬刺しと解きます。その心は、肥後の天然を楽しめるでしょう。
palindrome86
アメトーークとかけまして、汚いけれど美味い店とときます。その心は、ちゅうぼう(中坊・厨房)がイケてなくても評価されます。
pasiguru
アメトーークとかけまして、最後の運行日を迎えた電車のホーム付近とときます。その心は。てっちゃんがパニクってます。
kazz_14
「アメトーーク」とかけまして、「クリンチ」とときます。そのこころは、ブレイクのきっかけになります
hikari24hour
アメトーークとかけて、ギャルの化粧とときます、その心は「こすぎに憧れる人が多い」
kangowago
アメトーークとかけまして、刀と解きます。その心は、どちらも加地(鍛冶)が作るでしょう。
オードリーのオールナイトニッポンが面白い理由
Posted at 10/01/26 PermaLink»
ツイッターでは何度か書いてますが、「オードリーのオールナイトニッポン」は本当にいい番組だと思う。ピュアなオードリーファンが、下ネタ全開でヘラヘラしてる若林のしゃべりを聞いて、お笑いの新たな魅力に目覚める、みたいな現象が全国各地で静かに続発している気がします。妄想だけどたぶんそう。
ある程度お笑いを見てきた経験から言いますけど、オードリーのラジオは今が旬の面白さを発揮していると思う。テレビで薄い味を出して、ラジオで濃い味の本気を出す、ということがきちんとできている。正直、リアルタイムで芸人のラジオのこういうノリって初めて体験しました。
オードリーの、固定客がいるようでいないようなあの立ち位置が、たまたまちょうどああいう奇跡を生んでるんでしょうね。
スポーツを真面目にやってる人にとっては、練習とか試合が大事で、部室でいる時間はただの着替えタイムにすぎないじゃないですか。でも、オードリーみたいな芸人にとっては、部室でふざけてる時間の方が本質的で、テレビとかの表舞台がむしろアウェイなんですよね。だからラジオであのノリが出る。
ブレイクしたての頃からずっと、オードリーはとんねるずにちょっと雰囲気が似てるなあ、と思ってたんですが。最近のラジオを聞いてそれが確信に変わりました。
さくまあきらは日本のウォルト・ディズニーである
Posted at 10/01/25 PermaLink»
ウォルト・ディズニーは、よく知られた童話や物語を題材にしてアニメを作ってヒットさせた。そのおかげで今では、人々が童話のキャラを頭に思い浮かべるとき、ディズニーアニメのキャラの姿で出てくる。原作が本当はどういう話だったか、誰が書いていたか、なんて誰も気にしない。
ディズニーランドが楽しいのは、個々のアニメや童話の世界観が、ディズニーのイメージでゆるやかにつながって同じ世界に調和している心地よさにあると思う。で、同じことを日本でやった人はいないのかと考えてみて、頭に浮かんだのが、さくまあきらだった。
さくまあきらがゲーム作家としてのデビュー作「桃太郎伝説」で作り上げたのは、まさに日本版ディズニーランドだった。桃太郎が主人公で、金太郎、浦島太郎、かぐや姫など、おとぎ話のキャラが同じ世界にいる。土居孝幸のキャラデザインでイメージを統一した。
鉄道すごろくゲーム「桃鉄」の思わぬ大ヒットとロングセラー化によって、さくまが「桃伝」でやっていたことの革新性は忘れられているような気がする。さくまあきらは日本のウォルト・ディズニー、というか、それになりそこねた人だったのかもしれない。
……というようなことを、『創造の狂気』という本を読んでいてふと思いました。
最近の仕事100120
Posted at 10/01/20 PermaLink»
・今売っている『マガジンSPECIAL』にて、岡田有希先生が描かれている「ああっ!0発屋!!」というマンガに出演させていただきました。若手芸人・西村マァトを育成するという企画で、彼のネタを見て感想を述べています。かわいく描いていただいてありがたいです。
・雑誌『AERA』『アサヒ芸能』でパンクブーブーについてコメントしました。
・雑誌『週刊ファミ通』で今年のブレイク芸人についてコメントしました。
・『Quick Japan』(vol.87)にて、DVD「赤ペン瀧川先生のエロメール添削」のレビューを書きました。
・「ビジスタニュース」のブログにて、過去に寄稿した以下の記事がアップされていました。
ラリー遠田「社会派芸人は政治家の夢を見るか?」
ラリー遠田「一発屋芸人を取り巻く環境の変容」
・『日刊サイゾー』の連載コラム「この芸人を見よ!」が更新されています。最近取り上げた芸人は、とんねるず、清水ミチコ、板尾創路、中川家、出川哲朗、ハライチ、我が家、今田耕司です。
とんねるず 暴れ放題で天下を取った「学生ノリと楽屋オチの帝王学」
清水ミチコ 対象者の心を浮き彫りにする「ものまねを超えた賢人の不真面目芸」
笑いの神に愛された男・板尾創路が泰然と歩む「天然と計算の境界線」
すべては中川家から始まった!? 兄弟が奏でる「舞台芸と楽屋芸のハイブリッド」
出川哲朗 稀代のリアクション芸人が「計算を超えた奇跡」を起こし続ける理由
ハライチ "ツッコミ"を棄てた関東M-1新世代が生み出す「面の笑い」とは?
我が家 「変幻自在のローテーション」が3人のキャラ薄をメリットに転化する
今田耕司 好きな司会者第3位にランクされる「代弁者としての3つの極意」
・『日刊サイゾー』でいくつか記事がアップされていました。
ラリー遠田×担当編集S「お笑いを楽しむための"ツールとしての批評"でありたい」
「M-1グランプリ2009」決勝メンバーに見るお笑い界の現在と"2つの傾向"
雌伏9年 "チンポジ"笑い飯との一騎打ちを制したパンクブーブーの覚悟
文化系芸人・よゐこがガチで部活動! 失われた青春を取り戻す!?
お笑い評論家・ラリー遠田の2009年「お笑いシーン総決算」!
・今後は、できればツイッターをもうちょっと使いこなしたいです。あと、ブログをもう少し更新します。
明日は「第3回お笑いトークラリー」
Posted at 10/01/12 PermaLink»
明日、1月13日(水)に、新宿ロフトプラスワンにてトークライブを行います。ダイノジ大谷さんをゲストに招いて、M-1の話、ロンブー淳の話、年末年始のバラエティ番組の話など、お笑い全般についてたっぷり語り尽くします。
M-1に関しては、諸説乱れ飛ぶ「笑い飯はなぜ2本目のネタに『チンポジ』を選んだのか?」という問題についても話したいと思っています。ご興味のある方はぜひ、お気軽にお越しください。
1/13(水)「第3回お笑いトークラリー」まであと1日!
コカド力(こかどりょく)
Posted at 10/01/04 PermaLink»
ザ・ドリームマッチ2010のネタの感想でも軽く書いていきましょうか。
富澤・藤本。完全にサンドのネタの雰囲気。ボケとツッコミの形が違和感なくぴたっとはまっている感じがする。面白い。
設楽・矢作。いかにもバナナマンらしい、品の良い感じのするネタ。設楽がやりたいことをやっていた分だけ、矢作の個性が薄まっていたとは思うけど。
友近・若林。これは、前に別の番組でやっていた「笑い飯哲夫・友近」の漫才と同じパターンですね。もちろん、2人ともすごい技術だとは思うけど、もうちょっと友近がウザさを強調した方が面白くなるような気もする。
千原せいじ・河本。ここはネタ志向じゃなくて宴会芸に走ったか。せいじをせいじ役で出演させるという設定は面白いけど、暴露ネタがややおとなしかったか。
石田・福田。2人とも演技はうまいし面白いけど、石田の身体能力の高さが生かされてない感じがするのがちょっともったいない。でも、それも含めて、ノンスタのコントのノリのままでしたね。
東京03・伊達。ネタとしてはまとまってるし面白いけど、4人という大人数をうまく使い切れなかったという印象。
徳井・後藤。徳井が変幻自在の変態キャラを全面に出していて、チュートリアルの漫才に近い形。かなり面白い。ただ、アドリブっぽいやりとりで2人が盛り上がりすぎてネタがやや冗長で散漫になったか。
中岡・次長課長井上。このネタを見ると、次長課長を仕切ってるのが井上で、ロッチを仕切ってるのがコカドだということがよくわかりますよね。井上に引っ張られて、中岡もロッチのときとは全然違う妙なキャラを乗せられていて面白い。中岡を今の形にしたコカドのすごさを間接的に再確認できる。
岩尾・ハリセンボン。ハリセンボンとフットのネタのセンスをうまく融合して手堅くまとめたけど、ブサイク3人が集まったらもっとすごいことをやってくれるんじゃないだろうか、という期待には応え切れなかったか。
原西・日村。基本はフジワラのコントに近い。日村はツッコミをやると妙なノリで勢いよくいくしかなくなるので、勢い系のギャグを得意とする原西とは互いの個性を殺し合ってしまった印象。
春日・ケンコバ。これは失敗作なんだけど。これを見て何を学ぶかというと、春日って意外と、ケンコバみたいな芸人をガチで尊敬してる普通のお笑いファンっぽいところがあるよね、っていうこと。あと、結局、2人のネタ前の自信満々の態度が前フリで、このコントが面白くないのがオチなんですよね。
小木・木本。それぞれの、良くない意味での地味なところが出てしまったかな。
千原ジュニア・コカド。これ、優勝したけど、そこまで面白いかなあ。モニターを使ったりする一工夫が評価されたんでしょうか。ジュニアって、コントの中では意外と女装したりかわいい格好したりするのが好きで、見る人も意外とそういうのを好きだったりするよね。
木下・ノンスタ井上。これは、割と素直にそれぞれの味が出ていた。もともとのTKOのコントと同程度には仕上がっているんじゃないでしょうか。ただ、いちいち暗転してテンポ悪い感じはあるけど、そこはまあお祭り番組だからどうこう言いません。
過去の優勝ネタを振り返るシリーズでは、ロンブー淳と出川哲朗のすごさを再確認しました。特に、淳・浜田ペアのネタは、往年のコント55号を思わせるものすごい傑作になっていたと思う。
ドリームマッチを5時間も放送したのは、企画内容から考えると明らかに長すぎるんだけど、ひとまずこのぐらいの優良コンテンツなら引き延ばさなければどうしようもない、というくらいのTBSの厳しい台所事情が背景にあるんでしょうね。
1/13(水)「第3回お笑いトークラリー」まであと9日!